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第5章 春歌(下)

〔69〕

無題

佚名

霞光正瀲滟

山櫻隨霞色變幻

色淡疑花殘

[原文]

春霞たなびく山の桜花移ろはむとや色かはりゆく[123]

〔70〕

等待花凋謝

花卻戀枝難成別

惜櫻情愈切

[原文]

待てといふに散らでしとまるものならば何を桜に思ひまさまし[124]

〔71〕

一切終將散

縱有櫻花相陪伴

亦是苦世間

[原文]

殘りなく散るぞめでたき桜花ありて世の中はての憂ければ

〔72〕

今須鄉(xiāng)間宿

皆因櫻花漫天舞

眼迷忘歸路

[原文]

この里に旅寢しぬべし桜花散りのまがひに家路わすれて[125]

〔73〕

櫻似世事易成空

眼見得一樹繁紅

剎那成芳冢

[原文]

うつせみの世にも似たるか花ざくら咲くと見しまにかつ散りにけり[126]

〔74〕

贈僧正遍昭歌

惟喬親王[127]

花散直須散

留戀花枝亦枉然

亦無故人憐

[原文]

桜花散らば散らなむ散らずとてふるさと人の來ても見なくに

〔75〕

云林院[128]賞落櫻歌

雲(yún)林院にて桜の花の散りけるを見てよめる

承均法師[129]

此處春櫻好

萬點飛花似雪飄

落地亦難消

[原文]

桜散る花の所は春ながら雪ぞ降りつつ消えがてにする

〔76〕

賞落櫻歌

素性法師

風摧櫻花樹

若知狂風宿何處

定去斥風太粗魯

[原文]

花散らす風のやどりは誰か知る我にをしへよ行きてうらみむ

〔77〕

云林院櫻花

承均法師

櫻散我衰朽

世事自來難長久

常懷千歲憂

[原文]

いざさくら我も散りなむひとさかりありなば人に憂きめ見えなむ

〔78〕

知己者來訪歸后贈花時歌

紀貫之

初見已縈懷

今日櫻花待君來

不來花即衰

[原文]

ひとめ見し君もやくると桜花今日は待ちみて散らば散らなむ

〔79〕

賞山櫻

春日霧茫茫

遮掩櫻花色與香

更須近處賞

[原文]

春霞なに隠すらむさくら花散るまをだにも見るべきものを

〔80〕

心懨懨,下風簾,折櫻忽飄散

藤原因香[130]

簾帷掩春顏

不知春盡待花綻

怎料花已殘

[原文]

たれこめて春のゆくへも知らぬまに待ちし桜も移ろひにけり

〔81〕

春宮[131]雅院[132]觀櫻落御溝[133]

菅野高世[134]

辭樹花如墜

流水催得香紅退

芳菲盡如浮沫碎

[原文]

枝よりもあだに散りにし花なれば落ちても水の泡とこそなれ

〔82〕

櫻落歌

紀貫之

早知花易散

何如未曾綻芳顏

免教心相牽

[原文]

ことならば咲かずやはあらぬ桜花見る我さへに靜心なし

〔83〕

答“無物堪比櫻落急”之言時歌

風起櫻花散

人心不待風吹亂

已在翻覆間

[原文]

桜花とく散りぬともおもほえず人の心ぞ風も吹きあへぬ[135]

〔84〕

櫻落歌

紀友則

春意本融融

花謝何匆匆

繚亂了一片心胸

[原文]

久方の光のどけき春の日に靜心なく花の散るらむ

〔85〕

東宮帶刀[136]處見落櫻

藤原好風[137]

春風若有情

繞開櫻花莫相驚

任花自凋零

[原文]

春風は花のあたりをよきて吹け心づからやうつろふと見む

〔86〕

落櫻

凡河內(nèi)躬恒

落櫻如雪亂

可恨狂風恣漫卷

殘花一片片

[原文]

雪とのみ降るだにあるをさくら花いかに散れとか風の吹くらむ

〔87〕

登比叡山[138]歸來歌

紀貫之

櫻開高山脊

只可遠觀不可及

卻與風嬉戲

[原文]

山高み見つつわが來し桜花風は心にまかすべらなり

〔88〕

無題

佚名

春雨點滴墜

墜如簌簌惜花淚

櫻落誰不悲

[原文]

春雨の降るは涙かさくら花散るを惜しまぬ人しなければ

〔89〕

亭子院歌會時作

紀貫之

櫻隨風散起波瀾

空中自無波瀲滟

卻是花翩躚

[原文]

桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける

〔90〕

奈良帝御歌

奈良舊城廓

昔時繁華今寥落

唯有花如昨

[原文]

故里となりにし奈良の都にも色はかはらず花は咲きけり

〔91〕

春歌

良岑宗貞[139]

霞鎖花顏不得見

密約春風拂春山

偷來香一段

[原文]

花の色は霞にこめて見せずとも香をだにぬすめ春の山かぜ

〔92〕

寬平帝時后宮和歌競詠

素性法師

莫要栽花樹

免得春來一時艷

花落惹人嫌

[原文]

花の木もいまは掘り植ゑじ春立てば移ろふ色に人ならひけり

〔93〕

無題

佚名

春色人間共

何故花時不盡同

此處未開彼處紅

[原文]

春の色のいたりいたらぬ里はあらじ咲ける咲かざる花の見ゆらむ

〔94〕

春歌

紀貫之

幽渺三輪山

云蒸霞蔚花爛漫

可惜難得見

[原文]

三輪山をしかも隠すか春霞人に知られぬ花や咲くらむ

〔95〕

北山[140]賞花時作歌贈云林院親王

素性法師

今日入春山

且待日暮晝闌珊

夜來花下眠

[原文]

いざ今日は春の山辺にまじりなむ暮れなばなげの花のかげかは

〔96〕

春歌

年年有芳春

只要世間花不盡

不改野外賞花心

[原文]

いつまでか野辺に心のあくがれむ花し散らずは千代もへぬべし

〔97〕

無題

佚名

年年春花盛

來年還能賞花否

只由命來定

[原文]

春ごとに花のさかりはありなめどあひ見むことは命なりけり

〔98〕

花落花又開

世事若如花常在

逝者還復(fù)來

[原文]

花のごと世の常ならば過ぐしてし昔はまたもかへりきなまし

〔99〕

風若通人情

聽我一言請繞行

且莫吹此櫻

[原文]

吹く風にあつらへつくるものならばこの一本はよきよと言はまし

〔100〕

苦苦待佳人

枝上黃鶯擾我心

折枝聊解恨

[原文]

待つ人も來ぬものゆゑに鶯の鳴きつる花を折りてけるかな

〔101〕

寬平帝時后宮和歌競詠

藤原興風[141]

誰人戀春景

花開花落無常性

恰似人薄情

[原文]

咲く花はちくさながらにあだなれど誰かは春をうらみはてたる

〔102〕

春霞色萬千

疑是花影落山間

紛亂迷人眼

[原文]

春霞色のちくさに見えつるはたなびく山の花の影かも

〔103〕

在原元方

春霞靄靄春山遠

長風悠悠出山間

攜來香幽然

[原文]

霞立つ春の山辺は遠けれど吹きくる風は花の香ぞする

〔104〕

花謝時歌

凡河內(nèi)躬恒

此情亦隨花飄散

面色縱收斂

心卻難遮掩

[原文]

花見れば心さへにぞ移りける色にはいでじ人もこそ知れ

〔105〕

無題

佚名

尋芳原野漫步

鶯啼聲聲留春駐

卻見落紅無數(shù)

[原文]

鶯の鳴く野辺ごとに來て見ればうつろふ花に風ぞ吹きける

〔106〕

啼鶯恨風吹

我手未曾觸花蕊

黃鶯莫誤會

[原文]

吹く風を鳴きてうらみよ鶯は我やは花に手だにふれたる

〔107〕

典侍洽子朝臣[142]

花落鶯哀訴

啼聲若能留花駐

我當一同哭

[原文]

散る花の鳴くにしとまるものならばわれ鶯におとらましやは

〔108〕

仁和中將御息所[143]家中歌會時作

藤原后蔭[144]

花落心侘寂[145]

龍?zhí)锷缴洗合计?

黃鶯聲聲啼

[原文]

花の散ることやわびしき春霞たつたの山のうぐひすの聲

〔109〕

鶯鳴歌

素性法師

黃鶯穿樹花紛紛

扇落花兒怨何人

該拿誰是問

[原文]

木伝へばおのが羽風に散る花を誰におほせてここら鳴くらむ

〔110〕

鶯鳴花樹間

凡河內(nèi)躬恒

啼鳴亦枉然

花開花謝年復(fù)年

鶯兒莫癡纏

[原文]

しるしなき音をも鳴くかな鶯の今年のみ散る花ならなくに

〔111〕

無題

佚名

牽馬尋春色

舊都芳菲已將歇

但余花飛雪

[原文]

駒並めていざ見にゆかむ故里は雪とのみこそ花は散るらめ

〔112〕

花落莫悲哀

我亦如花易老衰

豈能俱常在

[原文]

散る花をなにかうらみむ世の中にわが身もともにあらむものかは

〔113〕

小野小町

花開花又落

紅顏終蹉跎

長雨綿綿惹思索

[原文]

花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに[146]

〔114〕

仁和中將御息所家中歌會時作

素性法師

絲結(jié)惜春意

穿花過樹牢相系

且留得春濃花密

[原文]

惜しと思ふ心は糸によられなむ散る花ごとにぬきてとどめむ

〔115〕

過志賀山[147]逢眾女作歌以贈

紀貫之

春日行山間

漫天飛花舞翩躚

無處可躲閃

[原文]

梓弓春の山辺を越えくれば道もさりあへず花ぞ散りける[148]

〔116〕

寬平帝時后宮和歌競詠

紀貫之

摘菜春野邊

漫天落紅如雨亂

歸途已難辨

[原文]

春の野に若菜つまむと來しものを散りかふ花に道はまどひぬ

〔117〕

謁山寺時歌

紀貫之

暮宿春山邊

日見花飛花滿天

夜來入夢伴我眠

[原文]

やどりして春の山辺に寢たる夜は夢のうちにも花ぞ散りける

〔118〕

寬平帝時后宮和歌競詠

紀貫之

風吹花瓣落

溪流送花來

始知深山花盛開

[原文]

吹く風と谷の水としなかりせばみ山がくれの花を見ましや

〔119〕

諸仕女謁志賀寺后入花山寺[149],樂賞藤花歸后歌此以贈

僧正遍昭

歸去莫匆忙

藤花纏客留眾芳

枝斷也無妨

[原文]

よそに見て帰らむ人に藤の花はひまつはれよ枝は折るとも

〔120〕

家中藤花盛開引得行人駐足而觀時歌

凡河內(nèi)躬恒

藤花開庭前

紫色波浪翻

惹得過客回頭看

[原文]

わが屋戸に咲ける藤波立ちかへりすぎがてにのみ人の見るらむ

〔121〕

無題

佚名

曾游橘島洲[150]

猶憶花棣棠

想來如今又芬芳

[原文]

今もかも咲きにほふらむ橘の小島の崎の山吹の花

〔122〕

春雨潤棣棠

朵朵雨中添新妝

幽香牽情腸

[原文]

春雨ににほへる色もあかなくに香さへなつかし山吹の花

〔123〕

寂寞開棣棠

當初同栽約同賞

怎奈今宵又空望

[原文]

山吹はあやなな咲きそ花見むと植ゑけむ君がこよひ來なくに

〔124〕

詠吉野河[151]邊棣棠花開歌

紀貫之

吉野河岸開棣棠

風起損紅芳

花影水中漾

[原文]

吉野河岸の山吹ふく風にそこの影さへ移ろひにけり

〔125〕

無題

佚名[152]

蛙聲陣陣棣棠殘

如若早來井手山[153]

或能見花顏

[原文]

かはづ鳴く井手の山吹散りにけり花のさかりにあはましものを

〔126〕

春歌

素性法師

知交相攜游春山

不覺已向晚

花下處處皆可眠

[原文]

おもふどち春の山辺にうちむれてそこともいはぬ旅寢してしが

〔127〕

春去匆匆

凡河內(nèi)躬恒

立春甫一過

轉(zhuǎn)瞬又一年

時光飛逝如急箭

[原文]

梓弓春立ちしより年月の射るがごとくもおもほゆるかな

〔128〕

三月久不聞鶯囀而歌

紀貫之

惜花留春鶯鳴囀

怎奈春色淡

鶯聲也慵懶

[原文]

鳴きとむる花しなければ鶯もはては物憂くなりぬべらなり

〔129〕

三月末山行見花落溪流歌

清原深養(yǎng)父[154]

花乘流水傳春信

匆匆入山來訪春

奈何春已盡

[原文]

花散れる水のまにまにとめくれば山には春もなくなりにけり

〔130〕

惜春歌

在原元方

留春春不住

極目春歸路

只見得春霞密布

[原文]

惜しめどもとどまらなくに春霞帰る道にし立ちぬと思へば

〔131〕

寬平帝時后宮和歌競詠

藤原興風

黃鶯聲莫停

能吟且長吟

一年豈有二度春

[原文]

聲たえず鳴けや鶯ひととせにふたたびとだに來べき春かは

〔132〕

三月末見諸女摘花而歸時歌

凡河內(nèi)躬恒

花好終難留

飛花點點散不休

空惹一腔愁

[原文]

とどむべきものとはなしにはかなくも散る花ごとにたぐふ心か

〔133〕

三月末雨中折藤花贈人歌

在原業(yè)平

春好能幾時

惜春不怕衣衫濕

雨中折花枝

[原文]

濡れつつぞしひて折りつる年の內(nèi)に春はいくかもあらじと思へば

〔134〕

亭子院歌會時作春盡之歌

凡河內(nèi)躬恒

今日春將盡

遲遲不散花之魂

戀戀惜晚春

[原文]

今日のみと春を思はぬ時だにも立つことやすき花のかげかは

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